如何せん不器用な人間なもんで
プロローグ
就活なんてしていない。やったことと言えば、合説に皆で行ったことくらいだ。
そんな僕は、いわゆる「就活」を終えている。
就活を終わらせるプロセスは人それぞれだとは思うが、
とある会社の事務所で幾つかの仕事をして2回ほど事務所にお泊りをしたという事実に照らし合わせれば、その場に私の居場所はないなどと詭弁を連ねるのは馬鹿らしいのだ。
心労の蓄積
最近、人と会ってないような気がする。
いや厳密に言えば、仕事はしているし、大学も週1くらいで行くし
人にあっていないというのはそれこそ詭弁なのだが、
分かりやすく言おう。
人恋しいのである。
最近「恋人」の夢をよく見る。
過去の、というわけでなく、付き合ったことのない人間、ましてや誰か分からない。
それは単純に願望夢として処理されるのだ。
つまり、恋人がほしいと思っている。
しかし、違う。そんな単純ではない。
隣に居ても違和感のない、不完全でも一緒にいるための理由を必要としない関係がほしい。それを恋人というのかな、知らん。
別に何か嫌なことがあったわけではない。ただ心労の蓄積なのだ。
いままでなにかと上手くやってきた。愚直とは程遠い生き方でいろんなものをすり抜けてきた。
そのツケが回ってきているのだ。
"All things must pass." 全ては往々にして儚く過ぎゆくものである
いつだって僕は幸せだった
そういうことに思いを巡らせていると、過去に縁のあった人を思い出す。
未来に一喜一憂して、いろんな思いを語り合って、甘い思いも共有してずっと一緒に、なんて。
そんな彼女に対して、理由なんてものを望んでしまった。
生きる道は違うのに。ずっと、なんてそれこそ願望でしかないのに。
打算的な思いほど無粋なものはない。
理由がないからこそ、成り立つ関係というのもある。
それはひとえに「運命」と呼ばれる。
何もない日々に漫然と与えられる幸せを望んでいた。
運命ってもんが存在しなくても、共に居れる関係を望んでいた。
でも、こういう過去に僕はやっぱり幸せを感じてた。
いつだって僕は幸せだったのだ。
duex
全ては儚く移りゆくものだ
不特定多数の人間に対しては上手く付き合えるのに、特定の相手となると上手く立ち回れないのは僕の性だ。
如何せん不器用なもので。理由を求めてしまうのもクセなもんで。
全ては儚く移りゆくのに、今の状況に一喜一憂して、何も動けだせずに居る。
藍色に成りかけた空で確かに君を感じて